プラーナーヤーマに欠かせない【クンバカ】②〜ヨーガ効果を最大化
プラーナーヤーマに欠かせない【クンバカ】①〜二つの意味に続いて、さらに【クンバカ】を深掘りしていきましょう。
プラーナーヤーマの4つの呼吸と12の呼吸
プラーナーヤーマとは、4つの呼吸法を用いたさまざまなテクニックとなります。

1.プーラカ(吸う息)
2.レーチャカ(吐く息)
3.アンタル・クンバカ(息を吸って止める)
4.バーヒヤ・クンバカ(息を吐いて止める)
また、これとは別に無意識に呼吸が止まるケーヴァラ・クンバカというプラーナーヤーマもあります。これは上級レベルのプラーナーヤーマになり、瞑想中の非常に高い段階にあるときにおこります。この段階ではプラーナの動きというものは消えます。そして、真実を見えなくしているベールは取り払われ、より高いビジョンに到達します。
プラーナーヤーマにおいて最も重要なことは、クンバカ(呼吸の保持)になります。
しかし、このクンバカを正しく行うためには、呼吸のコントロール能力の段階的な発展が必要となります。
したがって、プラーナーヤーマの初期の段階では、クンバカを行うための前段階の練習として、神経やプラーナ(生命エネルギー)のシステムのバランスを整え、肺を強くするために、呼吸においての呼気と吐気がより強調されます。
この初期段階においては、ナーディー(エネルギーの通り道)の中のプラーナの流れに影響を与え、浄化し、整え、活性化させます。故に、身体的かつ精神的にも安定をもたらします。
なんで、こんなに影響を与えるか?それには理由があります。
それには、ヨーガ的解剖学とも言えるパンチャ・コーシャという身体は5つの鞘からできているという考えで説明できます。
さらに、パンチャ・プラーナという気の流れの理解も必要になってきます。
それぞれは今月から始まった坐学と実践の中でご紹介していきます。
そして、12の呼吸とは?
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』に載っているプラーナーヤーマです。
教典に書かれていても、大変難しいものあるので、通常レッスンでは6つのプラーナーヤーマを行っています。
簡単に説明すると
1 スーリヤ・ベーダナ
スーリヤとは太陽のことですが、ここでは太陽の気道(右の鼻孔)のことを指しています。このプラーナーヤーマでは、右の鼻孔で吸った息を左の鼻孔で吐くということを繰り返します。一方通行の呼吸です。
2 ウッジャーイー
「勝利」という意味です。赤ちゃんの寝息のような微かな音を立てます。
3 シート・カーリー
文字通り「シー」という音を立てて息を吸っていきます。このプラーナーヤーマでは口から息を吸っていきます。
4 シータリー
「冷たい」「涼しい」という意味です。舌を丸めてその間から吸っていきます。これも、息を吸うときは口から吸っていきます。
5 バストリカー
バストリカーとは「ふいご」のことです。ふいごのように音を立てるようにして力強く吐き、すばやく吸います。
6 ブラーマリー
ブラーマリーとは「メス蜂」のことです。このプラーナーヤーマでは呼吸の際に蜂の羽音をたてます。
7 ムールッチャー
「失神」「忘我」という意味です。
8 プラーヴィニー
「泳ぐ」という意味です。この呼吸によって水中を浮いたり歩いたりすることができます。
9 ケーヴァラ
「独立」「単独」という意味です。意識的なクンバカではなく、ひとりでに起こるクンバカです。
10サヒタ
「共に」「一緒に」という意味です。サガルバというビージャ・マントラを使うものと、ニルガルバというビージャ・マントラを使わないものとがあります。
11ケーヴァリー
アジャパーという、呼吸を通してマントラを唱えることを意識します。
「ナーディーを清める」という意味です。ハタ・ヨーガで最も一般的に行なわれるもので、スカ・プールヴァカとも呼ばれます。実際には、左の鼻孔で吸い、クンバカを行ない、右の鼻孔で吐きます。次に、右の鼻孔で吸い、クンバカをし、左の鼻孔で吐きます。これを繰り返します。
意識的に行なうクンバカ
⚫️サヒタ・クンバカ
サヒタとは、「共に、伴う」という意味で、これは意識的に息を止めることです。
通常、わたしたちがヨーガの実習の中で行なうクンバカは意識的に行ないますので、正確にはこのサヒタ・クンバカということになります。
サヒタ・クンバカは、息を吸って止めるクンバカと、息を吐いて止めるクンバカの二通りがあります。
○ アンタラ・クンバカ
アンタラとは「内部の」という意味です。(息を吸ってから止めることをいいます。
また、プーラカ(吸気)・クンバカともいいます。通常、アンタラ・クンバカを行なうときは、ジャーランダラ・バンダとムーラ・バンダの二つのバンダを併用します。
○ バーヒヤ・クンバカ
バーヒヤとは「外部の」という意味です。息を吐いて止めることをいいます。また、レーチャカ(呼気)・クンバカともいいます。
通常、バーヒヤ・クンバカを行なうときは、ジャーランダラ・バンダとウッディーヤナ・バンダとムーラ・バンダの三つのバンダを併用します。
注意!
*クンバカは無理をすると危険です。
*ヨーガでは最初から長い時間息を止めることは禁止されています。徐々に延ばしていかなくてはなりません。クンバカを無理して行なうと、呼吸が乱れたりイライラしたりしてプラーナーヤーマを気持ちよく行なうことができません。
『ヨーガとからだの科学』には3ヶ月以上、規則正しく連続して練習を重ねてからクンバカを入れられるようになると書かれています。
また、同書にプラーナーヤーマを正しくおこなっているかどうかのチェック方法として
おこなったあとで体と心が軽やかで、フレッシュに感じられ、エネルギーが満ちて来るのを感じるという兆候があり、これらを感じとれれば、あなたは正しくプラーナヤマを実行していることの証明になります。反対にマイナスの現象が起きるようであれば、息をとめることはただちにやめて、ヨーガ・プラーナヤマの専門家に相談をするようにお勧めします。
と、書かれていますので、何度もしつこいですが慎重に行いましょう。
伝統的なハタ・ヨーガの教典から学ぶプラーナーヤーマ
このクンバカを初め、伝統的なプラーナーヤーマをぜひ学んでみませんか?

以下、9月から10月の坐学と実践のクラスでバランスよく学ぶことができます。
特に、第3〜4回は【クンバカ】も実践していくのでいい機会になると思います。
スケジュールは以下の通りです。
第3回 『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』第2章/ バンダ
【清水町】9/18

【オンライン】10/4

第4回 『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』第2章/ プラーナーヤーマ
【清水町】9/25

【オンライン】10/11

◆ 場所と日時:清水町教室 木曜日19:00~20:00 / オンライン 土曜日19:00~20:00
◆ 受講料 1回毎 プレミアム会員 1回分または2,000円 / 一般 3,500円
初回資料代500円 (オンラインの方はプラス送料370円/事前受取は送料はかかりません)
*オンラインレッスンはBASEで決済をお願いしています。ご予約後にご案内します。
お問合せ/ご予約は
●LINE や下記記載のメールやお電話、予約サイトからお申込みいただけます。
●申込期限:各回共通 前日19時まで(*当日キャンセルは受講料100%かかります。)
●予約サイト
【清水町】クラス

【オンライン】クラス

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●問合せ:090-7912-2282 / ylsbija@gmail.com
Yoga Bija(ビージャ)について
Bijaの場所について
◆ 教室の場所
Bijaの料金について
◆ 料金
ヨーガ・インストラクターになりたい方へ
現在は地域によっては受付できませんが、一度ご相談ください。
最後に
藤田鳳子先生という、成瀬貴良先生の先生の講和録に
プラーナーヤーマは肉体より一層心に近い「プラーナ体」に直接作用するので、アーサナよりもずっと強い効力を持っております。
と、書かれていました。
呼吸を使ったやり方は、実際に目で見えるものではないので、実践が本当に大切になってきます。
藤田鳳子先生のおっしゃる意味は、実際に行った人にしかわからないんです。
ぜひ、一緒に練習していきましょう。
藤田鳳子先生の講話録は『ヨーガとは何か?ーヨーガの正しい理解の為にー』というタイトルで、昭和50年10月16日の講義を再現されています。
今後、この講話録の内容も皆さんにシェアしていきたいと思いつきました。
お付き合いくださいね。