無執着の斧〜『バガヴァッド・ギーター』からの学び


3月もあっという間に半分を過ぎました。

時間はあっという間に過ぎます。

日々大切に過ごしていきたいですね。

『バガヴァッド・ギーター』15章から

15章は【最高のプルシャに関するヨーガ】について書かれています。

『バガヴァッド・ギーター』(日本ヴェーダーンタ協会)

15-1

シュリー・バガヴァーン(クリシュナ)は言った。

人々は不滅の根を上にし、枝を下にした不滅のアシュヴァッタ樹について語る。

その葉は讃歌である。その樹を知る者はヴェーダを知る者である。

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:訳

成瀬先生も解説で、「どうしてこんなややこしい表現をするのでしょうか?」とおっしゃっています。

ここにでている【不滅の根を上にし、枝を下にした不滅のアシュヴァッタ樹】について、上村勝彦先生は輪廻の象徴として、藤田晃先生は逆さまの菩提樹と訳されているようです。

何度読んでもややこしいです。

そしてこのアシュヴァッタ樹についてまだ続きます。

15-2

その枝はグナに養われ、下方に上方に広がり、感覚の対象を芽にする。根は下方に伸び、人間の世界における行為に結び付く。

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:訳

成瀬先生の解説は

枝は三つのグナの作るプラクリティ、つまり現象世界に覆われています。そして、感覚器官の対象を芽にしています。

たしかに、わたしたちの生活環境は感覚器官の対象に囲まれていて、枝は下方や上方に伸びています。下方に広がるとは、より次元の低い物質的なものにとらわれるということです。上方に広がるとは、より良い精神的なものに関わるということです。

上方にあったブラフマンの枝は下方に伸びて、さまざまなものを展開し、この現象世界を作っています。そして、本来はブラフマンとは関係ないのに、人間のいろいろな行為と結びついています。

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:解説

ここまで解説されてやっとわかってきます。

さらにアシュヴァッタ樹について続きます。

15-3

この(樹の)形は、この世ではそのように知覚されていない。始めも終わりも存続も(そのように理解していない)、この根が伸長したアシュヴァッタ樹を、無執着な斧でしっかりと切り、

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:訳

15-4

それから、かの目的地を探求するべきである。そこへ達すると再び戻ることのない目的地を。「そこから原初の活動の流れた、かの原初のプルシャだけを拠り所とします」と(いうマントラ を)思いつつ。

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:訳

解説を見てみると

この世では、前節や前々節で語られたように「その枝はグナに養われ、下方に上方に広がり、感覚の対象を芽にする。根は下方に伸び、人間の世界における行為に結びつく。」とは知られていません。わたしたちはそう思っていない、感じていないということです。

ブラフマンというアシュダヴァッタ樹の根は、その始めも終わりも伸びておらず、わたしたちの生活とは関係ないと思っています。しかし、根は下方に伸び、人間の世界の行為と結び付いているのです。ですから、執着でがんじがらめになっているわたしたちの行為を、無執着の斧で切らなくてはなりません。ただの斧ではありません。無執着の斧でなくてはいけません。・・・

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:解説

第15章2節でいわれたことを知って、それからほうとうの目的地、真のゴールを目指さなくてはなりません。そこに達すると二度と戻ってくることのないほんとうのゴールです。解脱の境地です。

そして「チャーディヤム プルシャム プラパディエーヤダハ プラヴィリッティヒ プラスタリー プラーニ(そこから原初の活動の流れた、かの原初のプルシャだけを拠り所とします)というマントラを常に思います。

「最高のプルシャに関するヨーガ」というタイトルのように、プルシャ(アートマン=ブラフマン=クリシュナ)だけを拠り所としなくてはなりません。物質や出世や欲望ではなく、プルシャとは何かとういうことを目指さなくてはなりません。

『バガヴァッド・ギーター』成瀬貴良:解説

ここにきて実生活に活かせるアドヴァイスが書かれているようですがなかなか難しいですね。

無執着というのはエゴのない状態です。

私たちが何か行為をするのにはこのエゴがつきものです。

無執着の斧が必要ですが、無執着とはどのようなことを言うのでしょうか?

そうゆう時にお手本にしているのが『シヴァーナンダ・ヨーガ』という成瀬貴良先生が編訳された本です。

この本はシヴァーナンダさんが書かれた本ではなくて、シヴァーナンダさんの側近だったヴェーンカテーシャーナンダさんが書かれた本なんです。

シヴァーナンダさんに関する記録のほとんどはヴェーンカテーシャーナンダさんがされたものだと思われているそうです。

側近がみたシヴァーナンダさんの様子がわかるっていうのがいいですよね。

成瀬貴良先生もあとがきのところで、

スヴァーミー・ヴェーンカテーシャーナンダの講演録『シヴァーナンダ・ヨーガ』は、わたくしの月一回の勉強会で少しずつ訳してはテキストにしていたものですが、不思議とそのときに自分が抱えていた問題や悩みに関連する内容があることが多く、訳していて何回も勇気づけられることがありました。これもグルデーヴ・シヴァーナンダの恩寵ではないかと、わたくし自身勝手に思っています。

『シヴァーナンダ・ヨーガ』成瀬貴良:編訳

と、書かれています。

私の場合も同じで、頼りになるし、助けられる本です。

『シヴァーナンダ・ヨーガ』から引用して紹介します。

カルマ・ヨーガの根本的な要素は無私無慾です。あるいは「自己」という想いがない境地です。「自己」がないという境地は、ブラフマンだけが実在であるという境地と同じです。この真実を直接体得したとき、絶対的な無私無慾となることができるのです。この無私無慾の境地からなされる行為がカルマ・ヨーガなのです。

『シヴァーナンダ・ヨーガ』成瀬貴良:編訳

成瀬先生は、自分の中に「エゴ」がなくなると、入ってくるのはブラフマンだと解説してくださいました。

また、無私の状態=「エゴ」のない状態というのは悟りを開いている状態をさすので、無私の行為はできないともおっしゃっていました。

悟りをひらいかないと難しいということですね。

『シヴァーナンダ・ヨーガ』ではその状態は、

ラーガ(愛慾)・バヤ(恐怖)・クローダ(憎しみ)が完全になくなっていて、恐怖や憎しみからも解放されている

『シヴァーナンダ・ヨーガ』成瀬貴良:編訳

と言います。

こうゆうことは、わかっているつもりでも、すぐに忘れてしまうので、成瀬先生がいうようにいつもヨーガに触れていることが大切ですね。

いつも片手をヨーガに触れていること

また、いつでも触れられるように、今まで猫や花などの投稿が多かったInstagramを活用して『シヴァーナンダ・ヨーガ』から引用したシヴァーナンダさんの言葉を紹介しています。

内容はその日、パッと開いたページをあげています。
お昼頃、12:30を目安にアップしています。

毎日アップを目標にしていますので、フォローしていただくと励みになります。
@yoga_bijaです。

よろしくお願いします。

シヴァーナンダさんの行為を見習いながら、少しずつエゴをなくしていきたいものです。

3月のサット・サンガの日程

2021年11月より二部構成で行っています。

サット・サンガは基本第4土曜日開催です。

12月だけは第2土曜日に開催します。

3月は第4土曜日の26日開催します。

●第一部 15時〜16時30分(90分)

【内容】

『バガヴァッド・ギーター』を成瀬貴良先生の解説で読みます。

資料は使いません。

皆さんがお持ちの『バガヴァッド・ギーター』をご用意ください。

先生の解説と、解説には書かれていないけど先生が講義で仰ったことをメモしてあるので、それをお伝えしていきます。

今月は17章5節からです。

17章は【信仰の三つの違いを知る】です。

●第二部 17時〜18時30分(90分)

【内容】

『パタンジャリ・ヨーガの実践』

こちらは本を参加者で順番に読んでいくので事前にご用意ください。

 ☆日本ヴェーダーンタ協会 

 ☆Amazon

 ☆楽天ブックス で購入可能です。

進行役も順番で行っていきます。

本の小見出しで区切り、順番に読み進めていきます。

ひとりが終えたところで、感想を話し合います。

『ヨーガ・スートラ』を読み解くのが難しいなって感じていらっしゃる方はぜひ一緒に読んでみましょう。

今月は【聖典を学ぶ5つのポイント】の途中から

◉参加費はなしです。

お気軽にご参加ください。

ご予約と締切について

ご予約はLINEでもできるようになりました。

メールやお電話でも受付ていますので、お好きな方法をお選びくださいね。

LINEにてBijaと繋がってくださいね。

メール:ylsbija@gmail.com  お電話:09079122282(加藤)

お申込みいただいた方にZoomの案内をしますので、25日金曜日20時までに案内が届かない方は、お手数ですが上記より連絡ください。

締切は3月24日木曜日19時までです。

直前まではっきりしないという場合はその旨お知らせくださいね。

ご予約、お待ちしています。

Yoga  Bija

加藤

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