【サット・サンガ】チッタの本性


中伊豆は朝晩寒くなってきて、山々も更に色づきはじめています。

家から清水町教室に向かう道は、富士山に向かっていく感じで、天気が良いと綺麗な富士山が楽しめます。

富士山の雪も日々変化しています。

雨が降ったり寒い日には、綺麗な雪化粧の富士山が見れますが、気温の高い日が続くと、雪が解けてなんかお化粧が剥げた感じで魅力が半減します。

寒いのは嫌いなのに、綺麗な雪化粧の富士山は好き・・・。

相反している気持ちって、他にも色々ありますよね。

そんなことの繰り返しかもしれません。

それを繰り返していると心は平安でいられません。

瞑想を学んでいくと、瞑想の意味がだんだんわかってきて、軽はずみに瞑想とは言えず・・・言葉でお伝えしてくのがなかなか難しいのですが、アーサナだけではない、瞑想に向かって行うヨーガを実践すると、苦楽、毀誉褒貶、寒暑などの二極の対立からの解放が約束されています。

私もまだまだ瞑想に向かっていく集中でさえ難しいですが、一緒にヨーガの学びと実践を深めていきましょう。

今週末はサット・サンガです。

ヨーガを深めたい方にはぴったりの内容となっています。

サット・サンガの内容

ビージャのサット・サンガはオンラインで行っています。

瞑想のヨーガの教典『ヨーガ・スートラ』をわかりやすく解説した本、『パタンジャリ・ヨーガの実践』を読んでいます。

瞑想に興味がある方、ヨーガを深めたい方、どなたでも無料で参加できる集まりです。

内容は、始まりのマントラを唱えるところからスタートします。

その後、参加者で『パタンジャリ・ヨーガの実践』を意見交換しながら読み進めています。

参加者で順番に読んでいくので事前に本をご用意ください。

 ☆日本ヴェーダーンタ協会 

 ☆Amazon

 ☆楽天ブックス で購入可能です。

また、進行役も順番で行っていきます。

本の小見出しで区切り、順番に読み進めていきます。

ひとりが終えたところで、感想を話し合います。そして最後も終わりのマントラを唱えて終わります。

9月から【サンヤマ】(ダーラナー、ディヤーナ、サマーディを合わせて【サンヤマ】といいます。)に入りました。

10月は【チッタの本性】から読み始めました。

10月の振り返り/【チッタの本性】

『ヨーガ・スートラ』の引用からはじまりました。

ヨーガの定義です。

『ヨーガ・スートラ』の第1章2節「ヨーガハ・チッタ・ヴリッティ・ニローダハ」にはヨーガの定義が書かれています。それは「顕在意識と潜在意識を含めた心のすべて(チッタ・すなわち包括的な心)の考えの波を止滅すること」です。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

ここで【チッタの本性】をヴィヴェーカーナンダさんがなんとおっしゃているか?ご紹介されています。

『いまに生きる インドの叡智』からお借りした ヴィヴェーカーナンダさん

「チッタはつねに、その本来の清らかな状態にもどろうとします。しかし感覚器官がチッタを外へ引き出そうとするのです。ヨーガの第一歩はそれを超越して、外へ向かおうとする傾向を引き止め、知性の本質へともどらせることです。そうして初めてチッタは正しいコースにつくことができるのです」

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

ヴィヴェーカーナンダさんはチッタは「清らかな状態」と仰っています。

改めて用語解説していきますね。

【チッタ】は

心。注意。思考。思想。目的。意志。精神。知性。理性。

『ヨーガ・スートラ』のサーンキヤ哲学においては、二十五の原理の中に「チッタ」そのものはなく、プラクリティより転変したマハット(大、「ブッディ゠覚」)、アハンカーラ (我慢、自己感覚)、マナス(意、思考器官)の三つを総合したもの。

要するに、心的なものの総称を指す。つまり、心(チッタ)は真我(プルシャ)ではないということである。しかし、まだ独存していないプルシャは心と同化している状態にあり、この現象世界に迷っている。

『ヨーガ事典』成瀬貴良

前回ブログで紹介した図(以下)を思い出していただくとイメージしやすいと思います。

『いまに生きる インドの叡智』から

点線で囲まれているのがチッタです。

プルシャ=アートマン

本当の自分です。

成瀬先生の解説を読むとわかるとおり、心を自分と思っているけれども、それは間違いで、心はプラクリティの転変したものになります。

この辺りは『いまに生きるインドの叡智』を読んでいただくと面白いのですが、簡単に解説しますと、プラクリティはサットヴァ、ラジャス、タマスの三つのグナからなっています。

この三つのバランスが取れているときには均衡が保たれているので、変化しません。

プルシャとプラクリティの二元です。

そのプルシャとプラクリティが出逢うことで、プラクリティはプルシャに解脱していることを自覚してもらいたくてひとり相撲をはじめます。

ひとり相撲って表現が面白いです。

そうするとプルシャはプラクリティのお芝居に引き込まれ、悩み苦しみます。

きっと、プラクリティのお芝居が生き生きとしていて、リアルだからでしょうか?

しかしそこでプルシャはもとの観照者に戻るのだそうです。

これもまた面白い。

観照者であるプルシャは何もしません。

プラクリティの行動を止めるのもプラクリティ自身です。

その為に瞑想します。

そして最後に二元の状態に戻ることが目的です。

【ヴリッティ】 は

働き。活動。行為の過程。

『ヨーガ事典』成瀬貴良

【ニローダ】は

監禁。拘禁。征服。制御。抑制。止滅。滅。滅尽。阻止。ニローダは「ヨーガ・スートラ」の第1章2節における、有名なヨーガの定義に使われている言葉だが、「抑制」と取るか、「止滅」と解訳するかは学者によって異なっている。

「ヨーガは、心作用の制御」岸本英夫著『宗教神秘主義』

「心統一は、心作用の抑制」岸本英夫著『神秘主義とヨーガ』

「ヨーガとは心作用の抑制である」本多恵著『ヨーガ書註解』

「ヨーガとは、心のはたらきの止滅である」中村元著『ヨーガとサーンキャの思想』

「ヨーガとは心の作用を止滅することである」佐保田鶴治著『ヨーガ根本教典』

「ヨーガとは心のはたらきを止滅することである」佐保田鶴治著『解説ヨーガ・スートラ』

『ヨーガ事典』成瀬貴良

ニローダの説明について、4人の宗教学者さんや、インド哲学者さんの翻訳を一度にみることができて、参考になりますね。

特に佐保田鶴治博士は実践もされていた方です。実践が伴う博士の訳は参考になります。

ただ、実践は晩年にされていたと記憶しています。

『ヨーガ・スートラ』を訳された時は実践されていたのか?ちょっと疑問ですが・・・。

抑制、止滅か?

この『パタンジャリ・ヨーガの実践』では

「ニローダハ」は、心の考えの波がしずまったあとに消滅するという意味です。心には欲望などの考えの波が絶えず立っていますが、欲望がなければ心は静かです。しかし欲望を強引に抑圧すると、反動が生じる可能性もあります。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

「しずまって消滅」と捉えるようです。

そして、「強引に抑圧すると、反動が生じる可能性もある」と書かれています。

止滅という訳に近い感じがします。

さらに

ヨーガの方法は「抑圧」ではなく「超越」です。心をむりやり押さえこむのではなく、自然に静かになるように実践する肯定的な方法です。

また、「抑圧」と「超越」の違いについても書かれています。

目的がないから抑圧するのであって、目的があれば超越が可能となります。超越が可能なのは、そこに大きな理想、つまり霊的な目的があるからです。

超越という方法に反動はなく、得られる結果も偉大です。ヨーガの実践によって心は静まり、その大きな成果として安定した平安、幸せ、真理の理解を手に入れることができます。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

「超越」は辞書で調べると「普通の程度をはるかに超える」という意味になります。

「抑圧」と「超越」では、全くの別のものですね。

反動はないそうなので、安心してヨーガしましょう。

次は【サマーディ】です。

この本では

サマーディとは内にすべてを包括した状態です。それは「サマーディに入ると、個人的な欲望はなくなり、すべての欲望が満たされた状態になる」という意味です。欲望と欲望の対象は数かぎりなく存在しますが、サマーディの状態ではそれらの欲望の種が焼きつくされているので、再び芽が出ることはない(さらなる欲望は生まれない)のです。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

・・・と、実感したことがないので、本当の理解はなかなか難しいのですが、例え話の中で、睡眠が出てきます。

この睡眠の話も、他のシヴァーナンダさんの本の中でも読みました。

そして、インドでは睡眠を例えにすることが多いとマキ先生の勉強会で教わりました。

難解なところですが、ここでもヴィヴェーカーナンダさんのお話が出てきます。

そして、また眠りを例えに話されています。

そして、最初の「ヨーガハ・チッタ・ヴリッティ・ニローダハ」に戻ってお話が進んでいきます。

潜在意識まで綺麗にしなければサマーディに入れないと。

サマーディと間違いやすいこととして

・何も考えないことをサマーディだと思うこと。それは、タマス的なだけ。

・実践をせず本から得た知識だけで理解したつもりになること。

重要なこととして

しかし悟りは容易なことではありません。実践をとおして、自分の内にある魂(アートマン)の存在に気づくことが重要です。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

また、前から続くサムスカーラについても触れていて

今生だけでなく、前世から引き継いだサムスカーラの影響はとても強く、自分はインド人・日本人、女性・男性、主婦・サラリーマン、仏教徒・キリスト教徒であるといった自己規定の根深さもサムスカーラが原因です。これらをすべて、超越しなければなりません。超越しなければ、サマーディはのぞめません。そしてこの超越がどれほど重要なことであるかは、チャレンジしてみて初めてわかるのです。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

ヨーガを知り、色々なことを学ぶことで、サマーディが遠のいていく感じがしますが、そんなこと思わず、実践を繰り返すのみですね。

先月は次の項目の【サマーディには段階がある】に入って全部読みおえていないので、11月は【サマーディには段階がある】からまた読み進めていきます。

2023年11月のサット・サンガの日程

サット・サンガは基本第4土曜日開催です。(12月は年末になるので第2土曜日開催です。)

11月は第4土曜日の25日が開催日です。(*12月は9日です。)

17時にスタートし、18時30分までの90分間行います。

Zoomで行うので準備をお願いします。(*わからない時は聞いてくださいね)

ご予約と締切について

ご予約はLINEでもできるようになりました。

メールやお電話、予約サイトで受付ていますので、お好きな方法をお選びくださいね。

LINEにてBijaと繋がってくださいね。

メール:ylsbija@gmail.com  お電話:09079122282(加藤)

お申込みいただいた方にZoomの案内をしますので、24日までにご案内が届かない方は、お手数ですが上記より連絡ください。

締切は11月24日(金)19時までになります。

直前まではっきりしないという場合はその旨お知らせくださいね。

お申し込みお待ちしています。

最後に

お知らせなど、日々の暮らしで見つけた気づきなどInstagramで発信しています。

毎日の更新を目標にしていましたが、1月から怠け気味です。

お知らせが多いですが、フォローしていただくと励みになります。
@yoga_bijaです。

また、いつでもヨーガに触れられるように X( 旧 Twitter)ものんびりやっています。

こちらは、読んだ本からの気づきやヨーガの聖者やスヴァーミーのお話しを紹介しています。

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加藤

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