【サット・サンガ】プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)/感覚を心に従わせる


ビージャのサット・サンガはオンラインで行っています。

瞑想のヨーガの教典『ヨーガ・スートラ』をわかりやすく解説した本、『パタンジャリ・ヨーガの実践』を読んでいます。

瞑想に興味がある方、ヨーガを深めたい方、どなたでも無料で参加できる集まりです。

内容は、始まりのマントラを唱えるところからスタートします。

その後、参加者で『パタンジャリ・ヨーガの実践』を意見交換しながら読み進めています。

参加者で順番に読んでいくので事前に本をご用意ください。

 ☆日本ヴェーダーンタ協会 

 ☆Amazon

 ☆楽天ブックス で購入可能です。

また、進行役も順番で行っていきます。

本の小見出しで区切り、順番に読み進めていきます。

ひとりが終えたところで、感想を話し合います。そして最後も終わりのマントラを唱えて終わります。

6月からアシュターンガ・ヨーガの実践の5番目、プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)に入っています。

8月は【感覚を心に従わせる】から読みはじめました。

8月の復習

プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)は制感という意味です。

感覚をコントロールす方法として、8月は面白いテーマ!【感覚を心に従わせる】からでした。

感覚は本当に色々なところに旅をするようにあっちこっちに行きますね。

どれだけじっとしていられるでしょうか?

7月は好きなことなら夢中になって、心が感覚に引っ張られることもないという話が出てきていました。

これは経験がある方も多いのではないでしょうか?

ここでは感覚を感覚の対象から引きもどし、感覚を心に従わせるようにと書かれています。

そのコツとして、女王蜂と蜜蜂の関係で紹介されていました。

女王蜂が心で、蜜蜂が感覚です。

女王蜂は動くことなく巣の中にいます。蜜蜂は蜜を集めて勤勉に働いています。しかし、ひとたび女王蜂が巣から出て別の場所に移動すると、蜜蜂たちも女王蜂について移動します。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

これをイメージしてプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)の練習をするといいと書かれていました。

とはいえ、この実践もとても難しいですね。

それが次に続く【サムスカーラ(サンスカーラ)の影響】で、タイトルとおり難しいことがわかってきます。

サムスカーラ(サンスカーラ)7月に学びました。

それは快楽に引きつけられる原因が心にあるということでした。

私たちのこれまでの経験やサムスカーラ(サンスカーラ)の影響を受けます。

また、サムスカーラ(サンスカーラ)は潜在意識に隠れているからさらに厄介です。

そして、隠れているサムスカーラ(サンスカーラ)は目を覚ましたら、増大するんだそうです。

なので、この根本原因であるサムスカーラ(サンスカーラ)を減少させていくことがプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)のテーマになるんだそうです。

次に【プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)の側面】について書かれています。

プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)には

●消極的な「感覚の対象から感覚を引き戻す」

●積極的な「心を静かにして、感覚にその静かな心のまねをさせる」

という二つあります。

女王蜂と蜜蜂のイメージは積極的なプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)でした。

そしてこの「心が動かず静か」という状態は「積極的に真理に集中している心」で、鈍感な状態ではないそうです。

また

心を静かにすることは瞑想の目的ではなく、静かな心で、神、真理、アートマンについて集中して考えるのが瞑想です。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

と、書かれていますが、集中して考えるのは、リラックスしていない状態だし、考えるという状態も心がまだ動いているように感じて、しっくりきません。

ヨーガではないのですが、曹洞宗の僧侶、藤田一照さんの『考えすぎない』という本に書かれている

みだりに動きまわる心を、追うな、払うな

『考えすぎない生き方』藤田一照

こちらの方が、なんだかぴったりくるんです。

ただ、今読んでいるヴェーダーンタの本にも【集中して考える】といワードが結構出てきます。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』もヴェーダーンタ協会の本なので、ヴェーダーンタのやり方なんだと思いはじめました。

さらにこの本を読み進めると【集中して考える】の謎も解けていきます。

ヴェーダーンタの勉強ははじめたばかりなので、今後自分の理解がどのように深まっていくかが楽しみです。

また、参加者の中では「感じさせないことではないと知りました。」という意見もありました。

次は【プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)の形】についてです。

『ヨーガ・スートラ』は注釈書が何冊かあり、さらにその注釈書を注釈する複注書まであります。

ここでは有名なヴィヤーサのまとめたものを紹介しています。

プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)の形は四つありました。

①無関心

②聖典で許されたことだけを楽しむ

③自分の意思に従う

④対象に執着しない

以下、それぞれをみていきます。

①無関心

これは「感覚が、感覚の対象に関心をもたない」ということです。

好きや嫌いと思うのも、その対象にあるのではなく私たちの主観にあると書かれています。

分けて考えるのは、私たちですもんね。

それをやめて【物は物、人は人に過ぎない】と考えるのがのプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)のひとつの形です。

これはアーサナの練習でもいつもしていることですね。

このアーサナは嫌い、好きって考えません、思いません。

アーサナしている時には、ただただその状態をみているだけです。

「良いも悪いもない」と、成瀬貴良先生もよくおっしゃっていました。

頭で理解するより、アーサナしながら身体を使って覚えるものは実際の行動にも移しやすいですね。

ぜひヨーガする時はそんなふうに行ってみてください。

無関心というと少し味気ない感じがしますが、ただ見るだけ、ジャッジをしないと捉えてみるとわかりやすいです。

②聖典で許されたことだけを楽しむ

聖典には「どのような楽しみが良いのか、悪いのか」について書かれているものがあるそうです。

どの教典なのか?わかりませんでしたが、例えば、食事については、肉、ニンニク、タマネギなどはどうなのかと言うことが詳しく書かれていたり、娯楽についても許されるものと許されないものが具体的に書かれているそうです。

聖典は聖者が作りました。

聖者は、執着が起こって、心が落ち着かなくなる快楽の種類を知っているので、快楽を聖典で許されている範囲だけに限定するという態度は、プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)のひとつの形になります。

③自分の意志に従う

決めて、それを実行すること。

単純ですが自分が決めた意志に従うと言う事ができますか?

このやり方は、惰性で楽しみを引き延ばさないということであり、自分の意志で今から楽しまないと決め、その瞬間感覚を対象から引き戻すことです。

楽しむことを途中で止めても、それを引きずらず、その反動も後悔もないようにすること。これもプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)のひとつの形です。

『シヴァーナンダ ・ヨーガ』の本に、心で決めたことを実行し、続けることが大切だと書かれていました。

コツは気分がのらなくても形を続けることです。

ハタ・ヨーガを実践している私たちは、毎日アーサナや瞑想をしますが、気分がのらなくてもとりあえず続けます。

続けていれば、心が戻ってきた時に、心の戻る場所があります。

やめてしまうと、心の戻る場所がなくなってしまうからです。

決めたことでも気分がのらない時は、この自分の意志に従うに関して逆説的ではありますが、やってみることだと思います。

気づいたらヨーガが習慣になり、当たり前になっています。

コツは最初のハードルは低めに設定されることをお勧めします。

できた!という実感があれば、また続けることができます。

継続の話になってしまいましたが、「三日坊主になってしまう・・・」というのは、私たちがもともと、誰でもそうなってしまうものなんだそうです。

だからこそ、ぜひ形だけでも続けて、心を強くしていきましょう。

決めたことをやり遂げると心は強くなっていきます。

④対象に執着しない

感覚の対象に、執着心もなければ、嫌悪感も持たず、感覚の対象を楽しんでも、その対象を好きでも嫌いでもなくいることです。

食べ物や、飲み物を味わっても、娯楽を楽しんでも、終わった後まで引きずらないことです。

難しいですがこれもプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)のひとつの形です。

これはスヴァーミージーも同じことを繰り返し教えてくれました。

「ただ見るだけ、ジャッジをしない。」とよくおっしゃっていたことと同じだと感じました。

そして、最後は、ヴィヤーサが聖者ジャイギーシャッヴィヤの説を引用しているということで紹介がありました。

ここが、今まで学んできた「静かな心で、神、真理、アートマンについて集中」して、なぜ「考える」かの答えがありました。

「心が真理について集中していれば、感覚は、必然的に、感覚の対象から切り離されている。その時、心が何かを認識したいと思わない限り、感覚は動かない。プラティヤーハーラが進むと、心は真理に集中する。その心の状態の時、感覚は心に従うのだ」

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

心が集中することが何よりも重要で、それができるなら、感覚のコントロールのための特別な方法は要らないと言っています。

難しいですが、そのことについて次のところで解説されています。

次は【真のプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)】です。

ヴィヤーサは

「以上の4つの実践行っても、対象楽しみたいというわずかな欲望が残っている」

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

と、言っています。

実践が難しいのではなく、実践ができたとしても、まだプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)はできていない状態だと言っているんですね。

【欲望】はなくならないのでしょうか?

心の準備がなければ、今は執着していなくても、後になって執着にとらわれる可能性があるんです。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

心というのは、一筋縄にはいきませんね。

ヴィヤーサはまた

「真のプラティヤーハーラは完全な放棄と心の抑制が必要だ」

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

という、結論に至ったようです。

でも、この本では私たちにもできるようなアドヴァイスが書かれています。

霊的実践を重ね、心が内に向かい、常に真理について考えるように努めなければ、感覚を対象から引き離すことは困難です。ですから、パタンジャリは、心のレベルでの実践(プラティヤーハーラ)を準備するために、ヤマ、二ヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマを用意したのです。それらを集中して実践していけば、心が静かになり、結果としてプラティヤーハーラが容易になるからです。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

アシュターンガ・ヨーガの意味がわかります。

アシュターンガ・ヨーガには八段階と八部門いう考え方があると教わりました。

段階というと、ヤマが完成したら、二ヤマへ・・・というように完璧にできるまで次に進むことができなかったらゴールには辿り着けません。

ヤマも二ヤマも12年それを実践できたら完成と言われています。

成瀬先生は「ゴールからみたら、八段階になっている」とおっしゃっていましたが、それがピンときます。

ヤマ、二ヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ、プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)と実践しながら、行きつ戻りつしながらゴールに向かう感じです。

心は心でコントロールするのは難しいですが、プラーナーヤーマすると心が落ち着くように、順番や段階ではないけれどそうなっていくようには感じます。

ただし、ここでいうアーサナやプラーナーヤーマはハタ・ヨーガのアーサナやプラーナーヤーマとは違います。

ハタ・ヨーガには活性化させていくものがありますが、ここでは鎮静化です。

心を鎮めて、働きを止めていきたいからです。

次は【傍観者として、心の中を観察する】です。

この部分は、とてもわかりやすく書かれていました。

例えば

普段は気づきませんが、瞑想をすると、私たちの心(意識・潜在意識)の中にどれほどたくさんの考えが詰まっているかがよくわかります。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

とか

瞑想の時、それらの思いが整理されて、ひとつずつ現れるのではなく、全部が混じり合ったものがいっぺんに心の奥から吹き出してくることがあります。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

など。

実践していて戸惑ったり、これでいいのか?と悩ましい部分です。

そこで、ヴィヴェーカーナンダの助言が書かれています。

「しばらくの間すわって、心を走り回せることです。心はつねに波立っています。それはあの跳ねまわる猿のようです。猿は出来るかぎり跳ねまわらせなさい。あなたはただ、待って見つめているのです。知識は力だと言うことわざがあります。それは真理です。心が何かしているかを知るまでは、それを制御することはできません。だから、それに自由をあたえなさい。多くの恐ろしい思いが現れ、まさか自分がこんなことを思うとはと、あきれていることでしょう。しかし日ごとに、心の気まぐれは少なくなっていき、荒々しさも減っていくのに気づくでしょう。毎日、毎日、忍耐づよく実践していくうちに、心は完全にコントロールされるようになるのです。自分は何者にも支配されていない、ということを認識しなくてはなりません。この心を支配し、それが神経中枢とつながるの許さないことをプラティヤーハーラと言うのです」

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

どうですか?

ヴィヴェーカーナンダさんの助言はホッとしませんか?

さらにその理由も書かれています。

瞑想の時、1つのことに集中して、それ以外のことをおさえつけようとすると、反動で、抑圧された思いが強い勢いで表に出ようとします。瞑想とは神妙(霊的、純粋、永遠)なものに集中することです。しかし、世俗的な物事に集中することはあっても、神妙なものに集中するという習慣は、私たちにはありません。普段集中したことのないものに集中しようとするので、反動も強いのです。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

そして、その対応方法も書かれています。

そのようなときには瞑想やジャパをいったんやめて、傍観者となって、自分の心を観察します。心の中からいろいろな考えがあふれ出てくることに抵抗せず、ただその様子を客観的に見るのです。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

ある思いが現れたあと、すぐに別の思いが現れて、いつまでたっても終わらないように見えても、観察を続けてください。すると、現れてくる思いの数が徐々に減っていくでしょう。それにともない、心も静かになっていきます。心が完全にしずまらなくても、ある程度落ち着いたところで瞑想を始めれば、そのあとには集中して瞑想できるでしょう。

『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

そして、さらに具体的な方法が紹介されています。

初心者が30分瞑想する場合、最初の10分は、この傍観者としての観察をしてから瞑想に入ることをお勧めします。瞑想に慣れてくればこの10分は不要になります。

ここまで読むと、最初は難しいと感じていたプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)も、いつものやり方で良かったんだとわかります。

特に初心者に向けてのアドヴァイスは、成瀬先生から教えていただいたやり方で、ビージャでもアーサナのクラスの前でも同じように観察からはじめます。

そして、最近読んだシヴァーナンダさんの本には「瞑想の対象は自分の好きなものから初めていい」と、書かれていました。

また、呼吸もそのひとつだと聞きました。

謎が少しずつ解けていきます。

Image by KarinaCarvalho from Pixabay

プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)の最後は【プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)】の結果です。

プラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)を実践した結果

●ヨーギーは感覚のコントロールができるようになります。

●必要な感覚を必要な対象に向けて集中し、他の感覚は閉じます。

●心がしずまり、真理に集中できます。

●感覚の対象に振り回されることがなくなります。

●心が楽になり、清らかで安定します。

●神経がしずまり、観察力、記憶力が高まります。

以上のような結果が現れるので、霊的な生活が始まっていくそうです。

6月から3ヶ月かけてプラティヤーハーラ(プラティアーハーラ)を学んできました。

最初は難しいと思っていて、今生は無理かも思いながら読み進めましたが、最後のヴィヴェーカーナンダさんの助言に助けれらました。

これもまた実践あるのみですね。

8月は少し時間があったので、皆さんと一緒に瞑想もできました。

だんだんサット・サンガらしくなってきました。

9月は【第7章サンヤマ(ダーラナー、ディヤーナ、サマーディ)】からになります。

いよいよ佳境に入ります。

サンヤマの意味から学んでいきます。

毎回次が楽しみです。

2023年9月のサット・サンガの日程

サット・サンガは基本第4土曜日開催です。(12月は年末になるので第2土曜日開催です。)

9月は第4土曜日の23日が開催日です。(*10月は28日です。)

17時にスタートし、18時30分までの90分間行います。

Zoomで行うので準備をお願いします。(*わからない時は聞いてくださいね)

ご予約と締切について

ご予約はLINEでもできるようになりました。

メールやお電話、予約サイトで受付ていますので、お好きな方法をお選びくださいね。

LINEにてBijaと繋がってくださいね。

メール:ylsbija@gmail.com  お電話:09079122282(加藤)

お申込みいただいた方にZoomの案内をしますので、22日までにご案内が届かない方は、お手数ですが上記より連絡ください。

締切は9月22日(金)19時までになります。

直前まではっきりしないという場合はその旨お知らせくださいね。

お申し込みお待ちしています。

最後に

お知らせなど、日々の暮らしで見つけた気づきなどInstagramで発信しています。

毎日の更新を目標にしていましたが、1月から怠け気味です。

お知らせが多いですが、フォローしていただくと励みになります。
@yoga_bijaです。

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こちらは、読んだ本からの気づきやヨーガの聖者やスヴァーミーのお話しを紹介しています。

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加藤

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