『パタンジャリ・ヨーガの実践』

2024年2月22日 / 最終更新日時 : 2024年2月22日 terumi555 『パタンジャリ・ヨーガの実践』

【サット・サンガ】超能力（シッディ）は間違い

月に一度開催のサット・サンガは次の土曜日（23日）に開催します。

どなたでも参加できるヨーガ好きな者達の集まりです。

今月もマハー・ムリティ・ヤンジャヤ・マントラを唱えることからはじめましょう♪

オーム　トリャンバカン　ヤジャーマヘ

スガンディム　プシュティヴァルダナーン　ウルヴァームカミヴァ

バンダナーンムリティヨールムクシーヤ　マームリタート

オーム　第三の目を持つもの（シヴァ神）を礼拝します

芳香を放ち繁栄をもたらすものよ

きゅうりのようにわたくしを死の束縛から解放させたまえ
『インドの叡智』成瀬貴良

ビージャでは【プレミアム会員】限定で毎週月曜日18:30〜19:00　マントラを唱えるだけのクラスがあります。

マントラには2種類あります。

●ディークシャ・マントラ

グルからいただくマントラ。

絶対に口外してはいけません。口外するとマントラの力は失われます。

●ヴェーダ・マントラ

ヴェーダやウパニシャッドやヨーガの教典に載っている伝統的なマントラです。

アーシュラムやヨーガを始める時に唱えます。

マントラの唱え方は3通りあります。

●声に出して　→ ヴァイカリー

●呟くように　→ ウパーンシュ

●心で　→ マーナシカ

マントラは沢山あるので、ビージャのマントラクラスでは、ヴェーダ・マントラをヴァイカリーで唱えていきます。

ただ、最も大切なのはバーヴァ（態度）です。

気持ちが大切です。

なので「自分のために唱えるものではない」と、教わりました。

ぜひマントラを唱えはじめるサット・サンガで一緒にヨーガの学びを深めていきましょう。

興味のある方はぜひ下記よりご予約くださいね。

サット・サンガの内容

ビージャのサット・サンガはオンラインで無料で行っています。

瞑想のヨーガの教典『ヨーガ・スートラ』をわかりやすく解説した本、『パタンジャリ・ヨーガの実践』を読んでいます。

瞑想に興味がある方、ヨーガを深めたい方、どなたでも参加できる集まりです。

内容は、始まりのマントラを唱えるところからスタートします。

その後、参加者で『パタンジャリ・ヨーガの実践』を意見交換しながら読み進めています。

参加者で順番に読んでいくので事前に本をご用意ください。

　☆日本ヴェーダーンタ協会　

　☆Amazon

　☆楽天ブックス　で購入可能です。

また、進行役も順番で行っていきます。

本の小見出しで区切り、順番に読み進めていきます。

ひとりが終えたところで、感想を話し合います。

そして最後も終わりのマントラを唱えて終わります。

9月から終盤の【サンヤマ】（ダーラナー、ディヤーナ、サマーディを合わせて【サンヤマ】といいます。）に入りました。

1月は【超能力（シッディ）】から読み始めました。

ヨーガの学習と超能力。

そしてその超能力が間違いというところからはじまっていきます。

1月の振り返り／超能力（シッディ）

自分たちの心の力をどんなふうに思っていますか？

ヨーギーはその力の存在を知っているようです。

瞑想を続けることで得られる力を超能力と呼び、それを超常的なことと思いがちですが、この本では、この力は自然なことで、論理的に理解でき、超能力という言葉を使うのが間違いだと書かれています。

何度も出てきますが、このサーンキヤ哲学の二元論を図解したものでいうと、超能力をいわれる者の力の源はプラクリティだと書かれています。

そして、プラクリティから転変した五大元素に集中することで力が得られると書かれています。

ただ、サマーディの目的が超能力にならないようにしたいですね。

いずれにしても集中して、瞑想していくのですが、それがなかなか難しいものです。

そして具体例も書かれています。

・千里眼（遠方のできごとや将来のことを見通す）

・離れた場所で人が話している言葉を聞く

・人が心の中で思っていることを見通す

・たちどころに願望をかなえる

・自在に雨を降らせる

・耕作せずに作物を得る

・師について学ぶことなく知識を得る
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

また、大切なこと

しかし、バタンジャリは「実践の結果、確かにこのような能力は生じるが、それを使ってみたいと思うと、その人は堕落する」と言っていて、それを使ってみたいと思うと、その人は堕落すると言って戒めの言葉をのこしています。これは重要なことなので、心に留めておいてください。
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

パタンジャリが言っていることと、ヴィヴェーカーナンダも同じように

「これらの力は、最高の目標である、純粋『自己』の知識や解脱を成就する妨げとなる。それらはいわば途中で出会うものであって、もしそのヨーギーがこれらをしりぞければ、彼は最高目標に達する。しかし、もしこれらの力に誘惑されるなら、彼のそれ以上の進歩はなくなる」
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

「ヨーギーがこれらすべての驚くべき力を見て、しかもそれらを拒否したとき、彼はゴールに到達する。これらすべての力は何か。それは単なるプラクリティの現れで、夢にすぎない。全能さえひとつの夢である。それは心に依存しているからだ。心があるかぎり、その力を理解することができるが、しかしゴールは心さえも超えたところにあるのだ」
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

「他の危険もある。ヨーギーを誘惑しよう、堕落させようとして、神々その他の生きものがやってくる。彼らは嫉妬深いので、誰でもが解脱することを望まない。完成に至らないで死ぬヨーギーたちは神々になる。本道をはずれて横道のひとつに入ったことで、彼らはこのようなカを得るのだ。しかし彼らはもういちどこの世に生まれなければならない。一方、こうした誘惑に負けないほど強く、まっすぐにゴールに向かって行くヨーギーは解脱を得る」
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

仰っているようです。

Rahulchaiによる Pixabayからの画像　カニャー・クマーリー　
ヴィヴェーカーナンダさんが瞑想したヴィヴェーカーナンダ・ロック

そして、ヴィヴェーカーナンダのグル、ラーマクリシュナも

霊性の修行の目的はお金や名声ではなく、悟りです。霊性の目的である悟りのためには、たとえそのような能力が現れても、それは避けなければならない
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

と、警告されています。

超能力とそれについて反面もあることが書かれていますが、超能力とエゴについても書かれています。

ちょっと長くなりますが、引用します。

超能力を目の当たりにすると、その力の持ち主を尊敬したり、特別扱いしたりします。すると、ほめられた人の心に名声や金銭欲が生まれ、そうした欲望からエゴやらぬぼれが生まれ、最終的に真理から遠ざかっていきます。エゴがなくならないかぎり、悟りは不可能ですが、超能力を使うことによってエゴが増大してしまうのです。聖者たちは、超能力を落とし穴のようなものと見なし、ヨーギーがこのエゴのために堕落して、悟りの道から外れてしまわないように普告しています。ですから、たとえそのような力があらわれたとしても、それは進歩のしるしと受けとめるだけにして、その力には執着しないことがたいせつです。
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

超能力がなくてもエゴをなくすことは難しいのに、解脱の手前でもまだまだ誘惑があり、なかなか険しい道のりですが、先日、マキ先生の勉強会で「辛抱強くないとできない。だから、勉強会で仲間と一緒に学ぶことが大切。」だと教えていただきました。

本当にその通りです。

ぜひ、お近くのヨーガ教室の哲学のクラスへ参加されたり、今は便利な時代でオンラインで学びが深められます。

ビージャのサット・サンガにもご参加くださいね。

成瀬貴良先生は「いつも片手にヨーガを」と仰っていました。

今日、サット・サンガに使う本を探しながら、シヴァーナンダさんのお弟子さんのクリシュナナンダの著書のサイトでもカルマ・ヨーガに同じようなことが書かれていました。

しかし、残念ながら、どんな良い本も自分の師には勝てません。

そんな例も書かれていました。

シュリー・ラーマクリシュナは馬車でドッキネッショルからコルカタに向かっていました。そのときナレン（ナレーン：ヴィヴェーカーナンダの出家前の名前）はコルカタの自宅に居たのですが、師の馬車が、コルカタから数キロ離れた場所を通過しているときに、千里眼によって師がやって来るところが見えたのです。ナレンが、到着した前にそのことを告げると、シュリー・ラーマクリシュナは「とりあえず、瞑想を休みなさい。その能力が消えたら、また瞑想をはじめなさい」と言いました。これが本当のグルの助言です。そのまま瞑想を続けると、超能力がどんどん強くなり、そのために真理を悟ることが困難になるのを、シュリー・ラーマクリシュナは知っていたのです。
『パタンジャリ・ヨーガの実践』スワーミー・メーダサーナンダ

ここまでが【超能力（シッディ）】です。

前回は結構進んだので、【最高のサマーディ】、【サマーディ（超意識状態）を描写した歌】、【サマーディは至福の状態】まで読みました。

2月は【合一】からになります。