第11回『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』第3章76節〜82節
毎月一回、ヨーガの教典に触れる時間を持ちませんか?
教典に触れることで、気づきがあり、それを日々のハタ・ヨーガの実践を通して確認していくと、自分の中にブレない核みたいなものができてきます。
頑固になるのではなく、不安になった時、悩んだ時に頼りになるものです。
自信も持つことができますが、ヨーガを行っている私たちは謙虚さも忘れません。
ハタ・ヨーガのハタを陰と陽に訳すことがありますが、対極にあるもののバランスがとれていくように感じます。
バンダ・トラヤとヴィパリータ・カラニー
3月はバンダ・トラヤから学んでいきました。
三つのバンダを同時に行うことをバンダ・トラヤ、トリ・バンダ、マハー・バンダと言います。
トリは数字の「3」の意味です。
三つのバンダは、ウッディーヤナ・バンダ、ムーラ・バンダ、ジャーランダラ・バンダの三つです。
ウッディーヤナ・バンダは腹部にバンダ(締めつけ)を行うのですが、だた締めるだけではなく、引きあげる意識をもって行います。
ムーラ・バンダは会陰部の締めつけ、ジャーランダラ・バンダは喉の締めつけです。
ムーラ・バンダは肛門を締めるのではなく、会陰部の締めつけになります。
サティヤーナンダ さんの本では、女性と男性と締める場所が違うことがイラストで表記されていました。
なかなかわかりにくい感覚ですが、これも諦めずに繰り返し練習ですね。
そして、このバンダ・トラヤを行うことで「死、老い、病気は起こらない。」と書かれています。
ムドラーの章では、効果としてこういう表現がとても多いように感じます。
そして、3章76節では
バンダ・トラヤは最高であり、マハー・シッダたちもまた実践したものである。ヨーギーは、すべてのハタ(・ヨーガ)の(成功の)ための修行であることを知っている。
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』成瀬貴良
この部分の解説を一部紹介します。
バンダ・トラヤを行っただけでは、ハタ・ヨーガの完成を得るのは少し無理があるようにも思います。アーサナ、プラーナーヤーマ、シャット・カルマ、ムドラー、瞑想などすべてを実践することが望ましいと思います。あるいはマントラ、キールタン、祈り、人への奉仕なども行わなくてはなりません。
スヴァーミー・シヴァーナンダ は偏りなくさまざまなことを少しずつ行うようにと、歌にしています。
「アーサナを少し、プラーナーヤーマを少し、瞑想を少し、キールタンを少し、食べるのを少し、飲むのを少し、歩くのを少し、哲学を少し、奉仕を少し・・・」と。
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』成瀬貴良
シヴァーナンダ さんの歌はいい歌ですね。
どんなメロディーなのかわかりませんが、マントラのようにいつも心で唱えていきたい言葉です。
次に、ヴィパリータ・カラニーに入りました。
77節から82節にかけてヴィパリータ・カラニーについて書かれています。
最初にヴィパリータ・カラニーについてはグルから学ばないとならないということが書かれています。
そして、3章81節には、このムドラーの保持時間は少しずつ伸ばしていかなくてはならないと書かれています。
成瀬先生の解説ではシュリー・ヨーゲンドラ氏の例を紹介しています。
「このような頭を下にするアーサナは、継続時間は最低20秒から出発し、徐々に最高5分までもっていくのが良い。研究室データによれば、このアーサナの反応は半倒立の30秒後から感じられ、5分を過ぎると無理が生じ生理的な調和が乱れてくることが明らかになっている」
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』成瀬貴良
成瀬先生の解説にも書かれていましたが、教典に「日々一瞬(刹那)ずつ多く実習していく」と注意があるのは珍しいようなので、慎重に行いましょう。
そして、サティヤーナンダ さんの『Asana Pranayama Mudra Bandha』には、
長さ:初めは7試行まで行います。あるいは不快感が起こるまで行ってください。もし、頭部への圧力が高まってきたら終了してください。
徐々に、数ヶ月かけて試行回数を21まで増やしていきます。
吸う息と吐く息の長さは、長い年月を経てより心地良くなるにつれ、自然と増えていくでしょう。
『Asana Pranayama Mudra Bandha』スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ
と書かれていました。
ムドラーなので、呼吸と共にチャクラに集中します。
成瀬先生の解説とは違うやり方で、マニプーラ・チャクラ(おへその真後ろ、背骨の中)とヴィシュダ・チャクラ(喉)への意識でした。
こんなふうに色々と調べると別のやり方が出てくるので、教典に書かれているように、グルに聞かなければやり方はわかりません。
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』に戻ると、3章82節には、
6ヶ月後にはシワと白髪は見られなくなる。常にヤーマムマートラ(3時間)行えば死を克服。
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』成瀬貴良
と、書かれています。
これを生徒さんに話すと、笑う方がいますが、成瀬先生の推測は
おそらくシワや白髪はアムリタによる若返り効果の象徴としてたまたまあげられたものではないでしょうか。ヴィパリータ・カラニー・ムドラーを行えば歳は取らないということを伝えたかったのではないかと思われます。
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』成瀬貴良
と、書かれています。
そして、カラダを通常とは逆にすることで起こるカラダの中の状態にもふれていて、それを読むと逆になることの需要さが伝わってきます。
最後に、くれぐれもこれだけを行わないようにしてくださいね。
時間も、成瀬先生の解説の中ではペア・ウィンター氏の『ヨーガ教室』の中で、絶対に3分間を超えてはいけないと注意されていることが書かれていました。
次回はヴァジローリーを学んでいきます。
4月の日程
4月は【ヴァジローリー】からになります。
『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』を使って行っています。
ハタ・ヨーガを実践されているのならおすすめの本です。
前編もあります。
前編には、第一章アーサナと第二章プラーナーヤーマについて書かれています。
ぜひ2冊をお手元に、そして日々開いてみてください。
日時:2023年4月18日火曜日13時〜14時30分
場所:Yoga Bija 清水町教室
講師:加藤
持ち物:『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編』/筆記用具
その他:坐学ですが、実習も行っているので動きやすい服装で参加ください。
受講料:3000円
ご予約と締切について
ご予約はLINEでもできるようになりました。
メールやお電話でも受付ていますので、お好きな方法をお選びくださいね。
メール:ylsbija@gmail.com お電話:09079122282(加藤)
お申込みいただいた方にZoomの案内をしますので、17日までにご案内が届かない方は、お手数ですが上記より連絡ください。
締切は4月17日(月)19時までになります。
直前まではっきりしないという場合はその旨お知らせくださいね。
最後に
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加藤